心療内科と精神科では?
心療内科と精神科では?
- 傷病手当金の場合は、病名は何でもOKです。ポイントは傷病手当金申請期間が「労務不能だったか?」です。
したがいまして、「うつ状態」、「抑うつ状態」でも、傷病手当金申請期間が「労務不能」であればOKです。 - 「うつ病」・「双極性障害」等で傷病手当金を申請する場合は、心療内科でも精神科でも問題無いです。
- ただし、「精神の障害」で障害年金を請求する場合は、精神保健指定医又は「精神科を標榜する医師」でなければ、障害年金診断書を書けないので、要注意です。
障害年金診断書(精神の障害用)を記入できるのは、精神保健指定医又は精神科を標榜する医師です。
- 障害年金診断書(精神の障害用)を記入できるのは、精神保健指定医又は精神科を標榜する医師です。
- 「精神科を標榜する医師」とは、わかり易く言えば、「精神科」の看板を掲げた病院の医師のことです。
これは「自由標榜」と呼ばれ、麻酔科などを除いて医師は何科を掲げてもよいことになっています。何科を掲げるかは医師の自由です。
- 「精神科を標榜する医師」とは、わかり易く言えば、「精神科」の看板を掲げた病院の医師のことです。
- 結論を記すと、「精神の傷病(精神疾患)で障害年金を請求する場合、下の図のように、「精神科 ●● ◆◆」と記入してもらえばOKです。
下に「障害年金診断書(精神の障害用)」の裏面を貼り付けます。
障害年金の対象となる精神傷病
- 障害年金は、原則として、精神の障害(傷病)に対して支払われます。
障害年金の対象となる傷病(障害)を例示します。
統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害
双極性(感情)障害
てんかん
知的障害
発達障害(ADHD=注意欠陥多動性障害。ASD=自閉症スペクトラム)
症状性を含む器質性精神障害(高次脳機能障害を含みます)
器質性精神障害とは、脳に影響を与える疾患が原因となっている障害です。以下に例示します。
●脳血管障害(脳梗塞や脳出血など)
●甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
●頭部への外傷
●甲状腺機能低下症
●神経変性疾患(アルツハイマーなど)
●慢性疾患でステロイド内服中
●感染症(脳炎、髄膜炎な等)
- 障害年金は原則として神経症を認定の対象としていません。
- 神経症にあっては、その症状が長期間持続し、一見重症なものであっても、原則として認定の対象とならない。ただし、その臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものについては、統合失調症又は気分(感情)障害に準じて取り扱う。なお、認定に当たっては、精神病の病態がICD-10による病態区分のどの区分に属するかを考慮し判断すること。
(障害認定基準 第8節 精神の障害 2 認定要領)
[[ICD10コードについては、下のアドレスをクリックして下さい。https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000011ncr-att/2r98520000011nq2.pdf]]
- 以下の傷病は国際疾病分類により神経症に分類されているため、原則として障害年金認定の対象とされていません。
- 適応障害
- 強迫性障害
- 不安障害
- パニック障害
- 身体表現性障害
- 心的外傷後ストレス障害(PTSD)
- 社会恐怖症(対人恐怖症)
- 広場恐怖症
- 人格障害も原則として、障害年金の対象にはならないです。
人格障害(パーソナリティー障害)を下に例示します。- 妄想性パーソナリティ障害
- シゾイドパーソナリティ障害
- 統合失調型パーソナリティ障害
- 反社会性パーソナリティ障害
- 境界性パーソナリティ障害
- 演技性パーソナリティ障害
- 自己愛性パーソナリティ障害
- 回避性パーソナリティ障害
- 性同一性障害
- ギャンブル依存症
よって、神経症(例えば適応障害)の場合は、原則として障害年金の認定の対象となりません。
ただし、例外として
その臨床症状から判断して「精神病の病態を示しているもの」については、
障害年金認定の対象とされています。
つまり、例えば、適応障害ではあるが「うつ病」の病状も呈しているケースの適応障害の場合には障害年金の対象になるケースが有るということです。
つまり、以下の通りです。
- 神経症や人格障害と診断されている場合であっても、統合失調症や気分(感情)障害などの症状も併発している場合は、その臨床症状に応じて障害年金に対象になる可能性が有ります。
以下の障害でも障害年金は請求できます。
- 自閉症スペクトラム症(ASD)・アスペルガー症候群・注意欠陥多動性障害(ADHD)等も、障害認定基準に該当していれば、原則障害年金を請求できます。
「障害厚生年金」とは、うつ病の症状で初めて病院を受診した日(初診日)に厚生年金に加入していた方に支給される年金です。 初診日に国民年金に加入していた方(例えば家族の被扶養者・短時間労働の為厚生年金に加入していなかった方)は、1級又は2級に該当すれば「障害基礎年金」が支給されます。というのは、障害基礎年金には1級と2級しかないのです。障害基礎年金には3級がありません。
それに対して初診日に厚生年金に加入していた方は、1級又は2級若しくは3級に該当すれば障害厚生年金がもらえます。障害厚生年金には1級・2級・3級があります。
よって、例えば、初診日において「20歳以上65歳未満(60歳以上65歳未満の場合は日本国内に住んでいることが条件)」の厚生年金加入者は、「障害基礎年金1級+障害厚生年金1級」、または、「障害基礎年金2級+障害厚生年金2級」というケースもあります。
障害手当金(一時金)につきまして
また、初診日に厚生年金に加入していた方は、次の条件をクリアーした場合、障害手当金が貰える可能性があります。
- 初診日から5年を経過するまでに傷病が治癒した(医学的に治癒していなくても、症状固定した場合も含みます)。
- 治癒した(症状固定も含みます)日に3級には至らない厚生年金法施行令別表第2程度の状態であること。
- 治癒した(症状固定も含みます)日から5年以内に申請すること。
- 治癒した(症状固定も含みます)日に厚生年金(共済組合)、国民年金の年金(障害、老齢・退職、遺族)を受給できる資格がないこと。
- 治癒した(症状固定も含みます)日に同じ傷病で、労働基準法、労働者災害補償保険法、船員保険法、公務員の災害補償法、公務災害補償法により障害補償を受けていないこと。(別傷病での受給なら問題無いです。)
- 額
- 1,192,600円(最低保証額)以上の金額が1回ポッキリですが、支払われます(昭和31年4月1日以前生まれの方の最低保証額)は1,189,000円)。