傷病手当金をもらうための条件・もらえる期間、退職後も継続して受給する為のポイントを社会保険労務士がわかりやすく解説しました。

退職日まで有給休暇では?

退職日まで有給休暇で傷病手当金がもらえるか?

退職日までは有給休暇を消化し、在職期間は給与が全額支給された場合

退職日まで有給休暇+公休日でも問題有りません。ご安心下さい。

「退職日まで欠勤+公休日だったが給与全額支給」でも問題有りません。ご安心下さい。

  • 例えば、下のようなケースです。
    • 給与の締日が月末。退職日が令和5年年12月31日 通院日が令和5年11月20日、令和5年12月4日、令和5年12月18日、令和5年12月29日、令和6年1月12日とします。
      令和5年5年12月1日から令和5年12月31日までは、有給休暇+公休日により、会社へは一切行っていない」というケース
    • 上記の場合は、「令和5年12月1日から令和5年12月31日まで」の在職期間については、傷病手当金は不支給(支給停止)となります。
    • しかし、退職後に「令和5年12月1日から令和5年12月31日まで:31日間」を申請することにより(令和5年12月1日から令和5年12月31日までが「労務不能」の場合)、令和6年1月1日以降の退職後期間については傷病手当金が受給できます。ただし、以下の7つの条件をクリアーする必要が有ります。

❶退職日までに健康保険の一般被保険者期間が連続1年以上有ること。任意継続被保険者期間・国民健康保険加入期間・家族の被扶養者となっていた期間は含みません。ただし、会社(保険者)が異なっていても、健康保険の一般被保険者期間が連続して1年以上有れば、問題無いです。

健康保険の一般被保険者期間が連続1年以上とみなされる例:
令和4年11月1日から令和5年3月20日まで:株式会社埼玉商事:埼玉商事健康保険組合に加入
令和5年3月21日から令和5年12月31日まで:東京工業株式会社:全国健康保険協会・東京支部に加入

健康保険の一般被保険者期間が連続1年以上とみなされない例:
令和4年11月1日から令和5年2月28日まで:株式会社神奈川鋼業:鋼業健康保険組合に加入
「令和5年3月1日」は、健康保険の一般被保険者ではない。
令和5年3月2日から令和5年12月31日まで:名古屋ネット株式会社:全国健康保険協会愛知支部に加入
令和5年3月1日が健康保険一般被保険者ではないので、「令和5年3月2日から令和5年12月31日まで:名古屋ネット株式会社」の期間(8ヶ月+30日)が、退職日以前の健康保険一般被保険者期間となるので、退職後の傷病手当金(資格喪失後の継続給付)はもらえません。

❷退職日の前日までに「連続3日以上の労務不能期間」が有ること。
❸退職日が「労務不能」であること。
※❷と❸を一括して判断すると、退職日以前4日間以上は「労務不能」であること。
 即ち、退職日が令和5年12月31日の場合、「令和5年12月28日から令和5年12月31日まで」の在職ラスト4日間が「労務不能」であることが条件です(ギリギリセーフですが)。
 できれば、退職日以前7日程度は無理をせずに、会社を休んでください。つまり、退職日が令和5年12月31日の場合、「令和5年12月25日から令和5年12月31日まで」の7日間は有給休暇・欠勤無給・公休日等により会社に行かないことです。その方が退職後の傷病手当金を受給する上では良いです。
❹傷病手当金の受給期間を合計した期間が1年6か月未満であること。
❺傷病手当金に係る傷病についての初診日が退職日以前4日以上前に有ること。下の例は、ギリギリセーフです。
 退職日が令和5年12月31日。初診日が令和5年12月28日。
 この場合、「令和5年12月28日から令和5年12月31日までの4日間について医師が「労務不能」と判断してくれれば、ギリギリセーフです。
 しかし、下の場合は、傷病手当金は貰えません。
退職日が令和5年12月31日。初診日が令和5年12月29日。
医師は「令和5年12月29日から令和5年12月31日まで:3日間」しか「労務不能」の証明を書いてくれません。
在職期間中の「労務不能期間」が3日しかなく、待期期間をクリアーしただけで終了してしまい、受給権(傷病手当金をもらう権利)を獲得するための1日が足りません。
❻退職後期間が「労務不能=労働不能」であること。
❼これは、健康保険法には規定されていませんが、概ね30日に1日(1回)は通院(又は入院)していること。
 診療間隔が30日以上空いてしまうと、医師が傷病手当金申請書の「医師記入欄」に記入するのを嫌がったり、「医師記入欄」に記入するのを拒否するケースが有ります。「労務不能」であったことを証明できるのは医師だけですので、医師が傷病手当金申請書の「医師記入欄」に記入してくれない場合は、傷病手当金はもらえません。
退職日まで有給休暇の場合の退職後の傷病手当金



在職期間分は必ず会社を通します。
「在職最後期間」の傷病手当金申請手続きは、退職後に開始します。傷病手当金は「過去の”労務不能期間分”」を申請手続きしますので。


退職後期間分は会社を通さずに、直接保険者へ送付します。
 但し、「在職最後期間+退職直後期間」を一括して申請する場合は、退職後に「退職日まで在職していた会社」を通して申請手続きします。即ち、傷病手当金申請期間(請求期間)に在職期間分が含まれている場合は、会社を通して申請手続きします。

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