退職日まで有給休暇では?
☆退職日まで有給休暇で傷病手当金がもらえるか?
退職日までは有給休暇を消化し、在職期間は給与が全額支給された場合
☆退職日まで有給休暇+公休日でも問題有りません。ご安心下さい。
☆「退職日まで欠勤+公休日だったが給与全額支給」でも問題有りません。ご安心下さい。
- 例えば、下のようなケースです。
- 給与の締日が月末。退職日が令和6年9月30日 通院日が令和6年8月20日、令和6年9月4日、令和6年9月18日、令和6年9月29日、令和6年10月12日とします。
令和6年9月1日から令和6年9月30日までは、「有給休暇+公休日」により、会社へは一切行っていない」というケース - 上記の場合は、「令和6年9月1日から令和6年9月30日まで」の在職期間については、傷病手当金は不支給(支給停止)となります。
- しかし、退職後に「令和6年9月1日から令和6年9月30日まで:30日間」を申請することにより(令和6年9月1日から令和6年9月30日までが「労務不能」の場合)、「傷病手当金の受給権(もらう権利)」を獲得することが出来、令和6年10月1日以降の退職後期間については傷病手当金が受給できます。ただし、以下の7つの条件をクリアーする必要が有ります。
- 給与の締日が月末。退職日が令和6年9月30日 通院日が令和6年8月20日、令和6年9月4日、令和6年9月18日、令和6年9月29日、令和6年10月12日とします。
❶退職日までに健康保険の一般被保険者期間が連続1年以上有ること。任意継続被保険者期間・国民健康保険加入期間・家族の被扶養者となっていた期間は含みません。ただし、会社(保険者)が異なっていても、健康保険の一般被保険者期間が連続して1年以上有れば、問題無いです。
健康保険の一般被保険者期間が連続1年以上とみなされる例:
令和5年6月1日から令和5年10月20日まで:株式会社埼玉商事:埼玉商事健康保険組合に加入
令和5年10月21日から令和6年9月30日まで:東京工業株式会社:全国健康保険協会・東京支部に加入
健康保険の一般被保険者期間が連続1年以上とみなされない例:
令和5年7月1日から令和5年10月31日まで:株式会社神奈川鋼業:鋼業健康保険組合に加入
「令和5年11月1日」は、健康保険の一般被保険者ではない。
令和5年11月2日から令和6年9月30日まで:名古屋ネット株式会社:全国健康保険協会愛知支部に加入
令和5年11月1日が健康保険一般被保険者ではないので、「令和5年11月2日から令和6年9月30日まで:名古屋ネット株式会社」の期間(10ヶ月+29日)が、退職日以前の健康保険一般被保険者期間となるので、退職後の傷病手当金(資格喪失後の継続給付)はもらえません。
❷退職日の前日までに「連続3日以上の労務不能期間」が有ること。
❸退職日が「労務不能」であること。
※❷と❸を一括して判断すると、退職日以前4日間以上は「労務不能」であること。
即ち、退職日が令和6年9月30日の場合、「令和6年9月27日から令和6年9月30日まで」の在職ラスト4日間が「労務不能」であることが条件です(ギリギリセーフですが)。
できれば、退職日以前7日程度は無理をせずに、会社を休んでください。つまり、退職日が令和6年9月30日の場合、「令和6年9月24日から令和6年9月30日まで」の7日間は有給休暇・欠勤無給・公休日等により会社に行かないことです。その方が退職後の傷病手当金を受給する上では良いです。
❹傷病手当金の受給期間を合計した期間が1年6か月未満であること。
❺傷病手当金に係る傷病についての初診日が退職日以前4日以上前に有ること。下の例は、ギリギリセーフです。
退職日が令和6年9月30日。初診日が令和6年9月27日。
この場合、「令和6年9月27日から令和6年9月30日までの4日間について医師が「労務不能」と判断してくれれば、ギリギリセーフです。
しかし、下の場合は、傷病手当金は貰えません。
退職日が令和6年9月30日。初診日が令和6年9月28日。
医師は「令和6年9月28日から令和6年9月30日まで:3日間」しか「労務不能」の証明を書いてくれません。
在職期間中の「労務不能期間」が3日しかなく、待期期間をクリアーしただけで終了してしまい、受給権(傷病手当金をもらう権利)を獲得するための1日が足りません。
❻退職後期間が「労務不能=労働不能」であること。
❼これは、健康保険法には規定されていませんが、概ね30日に1日(1回)は通院(又は入院)していること。
診療間隔が30日以上空いてしまうと、医師が傷病手当金申請書の「医師記入欄」に記入するのを嫌がったり、「医師記入欄」に記入するのを拒否するケースが有ります。「労務不能」であったことを証明できるのは医師だけ(原則として)ですので、医師が傷病手当金申請書の「医師記入欄」に記入してくれない場合は、傷病手当金はもらえません。
出来れば、「2週間に1回(1日)」通院(又は入院)するのが理想です。
「在職最後期間分」の傷病手当金手続き
「在職最後期間」の傷病手当金申請手続きは、退職後に開始します。傷病手当金は「過去の”労務不能期間分”」を申請手続きしますので。
「退職後期間分」の傷病手当金手続き
但し、「在職最後期間+退職直後期間」を一括して申請する場合は、退職後に「退職日まで在職していた会社」を通して申請手続きします。即ち、傷病手当金申請期間(請求期間)に在職期間分が含まれている場合は、会社を通して申請手続きします。