有給消化で退職の場合は?
退職日まで有給休暇を消化して退職した場合
退職後の傷病手当金は受給できます。-
申請の仕方
- ケース①:令和6年9月1日から令和6年9月30日までの期間=「有給休暇+公休日」
令和6年9月30日付で退職。給与計算の締日が末日。
「令和6年9月1日から令和6年9月30日までの期間」について、医師により傷病手当金支給申請書(傷病手当金請求書)の医師記入欄の中の「労務不能と認めた期間」に「令和6年9月1日から令和6年9月30日まで 30日間」と記入してもらいます。⇒医師が「令和6年9月1日から令和6年年9月30日まで 30日間」について「労務不能」と認めないと記入してくれませんが。
ただし、医師に記入してもらうのは令和6年10月1日以降です。傷病手当金は過去の期間について申請をしますので、医師は診療日以前の期間しか「労務不能」と認めてくれません。傷病手当金は将来の期間について申請するものではありません。
つまり、令和6年9月20日に病院に行って「令和6年9月1日から令和6年9月30日までの期間について労務不能と記入してください!」と医師にお願いしても、医師は記入してくれません。
退職日までの期間を申請しないと退職後の傷病手当金は貰えません。
- 在職最後の期間分(退職日までの期間)について申請しないと、退職後の傷病手当金はもらえません。
- 退職後の傷病手当金は、正式には「健康保険法104条に規定する資格喪失後の継続給付」です。つまり、在職中に労務不能だった被保険者(役員も従業員も含みます)が健康保険法104条の条件をクリアーした場合にもらえるのが退職後の傷病手当金(健康保険法104条に規定する資格喪失後の継続給付)です。
- よって、「在職中に労務不能だった(一般被保険者期間中に労務不能だった)」ということを証明する必要があるので、在職最後の期間(一般被保険者最後の期間)は申請する必要があるのです。
- 「健康保険法104条に規定する資格喪失後の継続給付」は、退職者のみに限定していません。健康保険一般被保険者の資格を喪失した人(例えば、正社員から短時間労働者になって一般被保険者資格を喪失した人)も対象です。
そして、傷病手当金は過去の期間について申請するので、在職最後の期間(一般被保険者最後の期間)の傷病手当金は会社を退職した後(一般被保険者資格を喪失した後)に申請します。在職期間分(一般被保険者期間分)の申請なので、会社を経由して申請します。したがいまして、退職した後(一般被保険者資格を喪失した後)も、一時的に会社と連絡を取り合うことになります。
退職した後は会社と連絡をとるのが嫌な方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合にはメール・FAX・郵便等により連絡をすることも可能です。
在職最後の期間の傷病手当金申請手続き
退職後期間分の傷病手当金申請手続き
- ただし、「令和6年9月1日から令和6年10月10日まで(令和6年9月30日が退職日)」の様に、「在職最後期間+退職直後期間」を一括申請する場合は、原則として会社を経由します。⇒「在職期間分」が含まれている場合は、原則として在職していた会社を経由します。
- しかし、会社が次の様に対応した場合は、被保険者(申請者本人)が自ら傷病手当金関係書類を提出することが出来ます(申請者本人が傷病手当金手続きをすることが出来ます)。
- 「うちの会社は●×健康保険組合に加入しているから、傷病手当金手続きの際には、出勤簿のコピー・賃金台帳のコピーを添付しなければならないんだ。会社が”事業主記入用”を記入して、出勤簿のコピー・賃金台帳のコピーと一緒に”事業主記入用(記入済み)”を〇□さんの自宅に郵送するから、あとは自分で手続きして下さい。」
この場合、会社には「在職期間分」だけを記入してもらい、「退職後期間分」については会社に記入してもらいません(というか、「退職後期間」については、会社は記入出来ません)。上記の例の場合、「令和6年9月1日から令和6年9月30日まで(令和6年9月30日が退職日)」の期間分について会社により”事業主記入用”を記入してもらえばよく、「令和6年10月1日から令和6年10月10日まで」の退職後期間については、会社は”事業主記入用”へ記入する必要は無いです(「令和6年10月1日から令和6年10月10日まで」の退職後期間については、会社は”事業主記入用”への記入が出来ません)。
- 「うちの会社は●×健康保険組合に加入しているから、傷病手当金手続きの際には、出勤簿のコピー・賃金台帳のコピーを添付しなければならないんだ。会社が”事業主記入用”を記入して、出勤簿のコピー・賃金台帳のコピーと一緒に”事業主記入用(記入済み)”を〇□さんの自宅に郵送するから、あとは自分で手続きして下さい。」
- しかし、会社が次の様に対応した場合は、被保険者(申請者本人)が自ら傷病手当金関係書類を提出することが出来ます(申請者本人が傷病手当金手続きをすることが出来ます)。